3.歯の病気と治療について

歯の病気については2種類あります。1つは虫歯、1つは神経の治療です。
虫歯が軽い状態だと削ってつめるだけです。
歯の中央部が虫歯の場合、固い歯質におおわれているためレジンというプラスチックで つめたり、金属をつめたりします。
歯の周辺が虫歯になった場合は型をとって金属で直します。
方法的には従来とかわりま せんが、この材料と機械の発達もめざましいものがあります。
たとえば、型を採る材料は粉と液をまぜて練るわけですが、手で練るとどうしても空気が入り精密な型がとれません。
そこでこれを練る機械が普及し始めています。
また、これに使う金属は、通常(保険では)銀色をしたものですが、歯の表面を覆っているエナメル質と同じ固さのものを望むならば金が一番にています。
ですから、わざわざ、保険の範囲をはずれて、金をいれたりするのです。
また、近年、審美的な欲求が高まり、奥歯のつめものであっても白いもの(陶器とレジンを混ぜ合わせたもの)でつめれるようになりました。
「昔、子供の虫歯は軽いうちから治療すると悪くなる速度が速くなると聞いたことがあります。
本当のところどうなのでしょうか」という質問を受けることがあります、このことには2つの原因があると考えられます。 1つは、レジンによるもの、1つはだ液によるものです。
レジンとは歯を削ったあと につめるプラスチックのことで、この材料の性質として固めると収縮する性質をもっています。
従って、この収縮のためにせっかくつめても歯との間にすき間が空いてしまい、再度虫歯になりやすくなってしまいました。
しかし、近年の材料の進歩は目覚ましく、その点での心配は無くなりました。
第2にレジンをつめる直前には歯の表面が乾燥している必要がありますが、
こどもは だ液が多いのに加えて口の中が小さいのでどうしてもぬれてしまう可能性があります。
2年程前から固めるのに30秒かかっていたものが5秒行える機械が開発されこの心配 も少なくなりました。
歯の中央部には神経が通っている管があります。
虫歯が進むとこれに達してしまい、 終わりの見えない治療となってしまいます。
この治療を平たくは「神経をとる」といいますが、管の神経を機械的に除去します。
これが簡単に除去できればよいのですが、これがなかなかそうもいきません。というのは、歯は硬いため緻密なものと考えられがちですが、実はそうではなく象牙細管と呼ばれる細い管の集合体なのです。
ですから歯を削 るときに痛い思いをしたり、麻酔を打ったりするのです。
話は少しそれかかりましたが、神経は主に物理的な作業によって除去されます。
しかし、先にも述べたように歯は細い管の集まりで、多くは1本の歯に200本の細い神経 が存在することもあると報告されています。
ですから神経管は容易に機械的に掃除することができません。
そこで、薬を使うわけです。 神経の治療が始まると、あっという間に治療が終わってしまい、もっと時間をかけて見て欲しいとの不満がでてきますが、機械的な神経の除去が終わってしまえば薬を交換して、枝葉の神経管が無菌になるのを待つほかはないのです。
また、薬といえども口の中 で使用する薬ですからそれほど強い薬が使えるはずもなく、
地道な治療をしていくほかはないのです。
ですから1本の歯を治すのに3ヶ月かかったりするのは、しかたないこ となのです。
ここで先を急いで治療を終わらせてふたをしてしまうとこの細菌の多くは 嫌気性菌(空気を嫌う細菌)ですので歯の内部に進入した細菌の運動は活発なものとなり、こんどは、歯の先端の骨を溶かし始めてしまいます。

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